アップデート:サービス提供終了
2024年4月24日、Atlas VPNはNordVPNと合併します。
Atlas VPNは、同社が4月24日でサービス提供を終了し、既存ユーザーは、同じ親会社が所有する評判の良いプロバイダーであるNordVPNに移行するとアナウンスしています。
Atlas VPNのサービス提供終了に関する詳細はこちらからご覧いただけます:
https://atlasvpn.com/blog/announcement
当分の間、このレビューは継続します。代替となる商品を探されている方は、ComparitechがおすすめするVPNに関する記事から探してみてください。
あるいは、こちらからNordVPNレビューもお読みいただけます。
AtlasVPNは、2019年に設立され、600万人以上のユーザーがいるという比較的新参のプロバイダーです。2021年には、現在当社が最上位と評価しているNordVPNを開発したNord Securityの傘下に入っています。
その血統を考えると、このレビューには期待が高まります。筆者が答えを求めた疑問は以下のとおりです。
- Atlas VPNの回線速度は?
- Atlas VPNはセキュリティとプライバシーを守れるか?
- Atlas VPNはNetflixやBBC iPlayerなどのストリーミングサービスに対応するか?
- Atlas VPNは中国などの検閲を回避できるか?
- Atlas VPNはコストパフォーマンスに優れているか?
Atlas VPNは、NordVPNとは異なり無料枠があります。無料枠では、3ヶ所(ロサンゼルス、ニューヨーク、アムステルダム)にのみアクセスでき、データはモバイルで2GB、デスクトップで10GBに制限されています。
2024年版のレビューでは、ストリーミングとプライバシーに最適化された高速サーバーにアクセスできるAtlas VPNのプレミアムサブスクリプションをテストします。
Atlas VPNのレビューを以下に要約しました。上記の質問に対する詳細な答えは後述します。
Atlas VPNのキーデータ
OVERALL RANK: #0 of 72 | |
---|---|
速度 | Score: 6.5 |
平均速度**: | 317 Mbps |
動画ストリーミング対応: | 4K UHD |
ストリーミング | Score: 7.5 |
Netflix: | 可 |
その他のストリーミングサービス: | Amazonプライム, HBO Max, Hulu, BBC iPlayer |
セキュリティ | Score: 6.5 |
暗号化方法: | 256ビットAES |
キルスイッチ: | 可 |
ログポリシー: | 個人を特定するログなし |
プロトコル: | Wireguard, IKEv2 |
コストパフォーマンス | Score: 7.5 |
最安月額: | $1.82 |
Website | www.AtlasVPN.com |
Atlas VPNは他の人気のVPNと比較してどうか?
下表にて、競合するVPNに見られる主要な機能を並べてまとめました。
No value | AtlasVPN | NordVPN | Surfshark |
ウェブサイト | AtlasVPN.com | NordVPN.com | Surfshark.com | OpenVPNデータ暗号化 | 256ビットAES | 256ビットAES | 256ビットAES | キルスイッチ | トレント可 | 接続ログ | 一部、診断目的 | Netflix USのブロック解除 | Prime videoのブロック解除 | 米国、英国 | 米国、英国 | Huluのブロック解除 | 米国、日本 | 米国、日本 | BBC iPlayerのブロック解除 | 返金保証期間 | 30日 | 30日 | 30日 | 総合評価 | 7 | 9.7 | 9.6 |
---|---|---|---|
最安月額 | $1.64 2 年プランのご利用で 86% オフ | $2.99 – 2年プランで74%オフ + 3 か月の追加料金 | $1.99 2年プランで4ヶ月無料 |
Atlas VPNのメリットとデメリット
メリット
- ストリーミングサービスとの相性が良い
- セキュリティが強固
- 同時接続台数が無制限
- 個人を特定できるログを記録しない
- 高速
デメリット
- プライバシーポリシーがやや曖昧
- カスタマーサービスが悪い
- 中国には対応しない
- ルーターのサポートなし
- スプリットトンネリングなどいくつかの便利機能に欠ける
スピード:Atlas VPNは高速?
Atlas VPNは、合計で31ヶ国で750台のサーバーを運用しています。
Atlas VPNの平均のダウンロード速度は、当社がテストした全てのサーバーとロケーションに渡って317 Mbpsでした。以下に、リージョンごとの結果の詳細を示します。
- 北米:406 Mbps
- ヨーロッパ:325 Mbps
- アジア:219 Mbps
もちろん非常に良好な回線速度ですが、当社がレビューした 最速のVPNと比較すると。
テストは、Wireguardプロトコルで実施しました。平均結果を得るために、1日の様々な時間帯に北米(最寄り)、ヨーロッパ、アジアにあるサーバーへの下り速度を測定します。全てのテストは、1Gbpsの回線で米国のプロバイダーのWindowsアプリを使用して実行します。
当社のテストは絶対的なものではなく、実際のパフォーマンスの大まかな指標を提供するものです。インターネットは本質的に変動性が大きく、スピードテストの結果にランダム性という要因が加わります。基本のインターネット回線速度によっては、VPN接続時に速度に大きな差が生じる場合があります。
動画をHD画質でバッファリングなくライブストリーミングし、最寄りのサーバーでほぼ遅延なくオンラインゲームをプレイできました。Webサイトや動画ストリームの読み込み中に稀にタイムアウトが発生することがありましたが、接続は確立されれば安定しました。
VoIP接続は比較的不安定でした。ビデオ通話は頻繁に途切れるか、低品質でした。ZoomやSkypeなどのVoIPアプリに適したVPNが必要な場合は、他をお勧めします。
アプリ:Atlas VPNに対応するデバイスは?
Atlas VPNでは、1つのアカウントでデバイス台数無制限で接続できるため、所有するデバイスの多い家族や同居人がいる場合に最適です。
アプリは、こちらのオペレーティングシステムで利用できます。
- Windows 10以降
- iOS 13以降
- Android 6以降
- macOS 10.15以降
- Android TV
- Amazon Fire TV
- Linux Ubuntu
Linux、Android TV、Fire TV用のアプリは、最近の2022年に追加されたものです。Fire TV用アプリは、Amazon Appstoreから直接入手できます。
Ubuntu用アプリは、他のアプリのようなGUIではなく、コマンドラインインターフェイスを使用します。Linuxユーザーであれば、コマンドラインには慣れているはずです。
現時点では、ルーター用のアプリやサポートはありません。Chromebookのユーザーには残念ですが、ブラウザー拡張機能もありません。
アプリは、デスクトップとモバイルのインターフェイスで同様に機能し、両方で同じ機能をすべて利用できます。アプリはシンプルかつ直感的で、VPNが初めての方にとって堅実な選択肢であると言えます。
Atlas VPNは、パスワードを使用しません。代わりに、いずれかのアプリにサインインすると、ワンタイムコードが登録のメールアドレスに送信されて、これをアプリに入力する必要があります。ほとんどの場合、ワンタイムコードはパスワードよりも安全ですが、このプロセスが煩雑に感じる人もいるかもしれません。
面倒なことに、サインインするたびにAtlas VPNに関するニュースやプロモーションを受け取りたいかどうかを尋ねるボックスのチェックを外す必要がありました。これは通常であればVPNに新規登録したときに一度だけ尋ねられるものです。筆者は、レビュー中に必然的に1、2回忘れてしまい、会社から望まないメールが届くことになりました。
ホームメニューには、接続できるサーバーのリストがあります。Atlas VPNのサーバーについては、後ほど詳述します。
[Assistant]タブには、現時点では[Tracker Blocker]という1つの機能しかありません。パーシステントCookieがブラウザーに保存されないようにすることで、テクノロジー企業からAtlas VPNアクティビティを監視されないよう阻止するものです。トラッカーブロッカーはこれまで他のVPNアプリでも確認しましたが、Atlas VPNは実際にブロックしたトラッカーの数と出処のドメインに関するライブ統計を表示してくれます。これを有効にすると、筆者がWebブラウザーにインストールしたトラッカーブロッキング拡張機能がトラッカーCookieを検出しなくなりました。つまり、ブラウザーに到達する前にAtlas VPNがブロックしたということです。確かに効果的ですが、他所で無料で入手できるものでもあります。
モバイルアプリの同じタブには、さらに[Data Breach Monitor](データ侵害モニター)があり、登録のメールアドレスがデータ侵害を受けた場合に警告します。これも優れた付加機能ですが、Have I Been Pwnedで同じことを無料でできます。
[Settings](設定)タブでは、キルスイッチの切り替え、プロトコルの変更、自動起動の有効化ができます。しかし、調整できるのはそれくらいということになります。
カスタマイズはAtlas VPNの強みではありません。筆者が期待したものの欠けているオプションの1つは、ローカルネットワークを許可するトグルです。現状では、VPNが接続されている間は、ホームネットワーク上のプリンターやスマートホームデバイスなどのデバイスにアクセスできない可能性があります。
さらに、カスタムDNSサーバーを設定したり、ポートを転送したり、トンネルトラフィックを分割したりする方法はありません。これらは不可欠ではありませんが、追加されれば嬉しいものです。
ストリーミング、Netflix、Kodi
Atlas VPNはNetflixのブロックを解除できる?
Atlas VPNのストリーミングに最適化されたサーバーから米国・英国版両方のNetflixにアクセスできました。
さらに、Atlas VPNは米英版のAmazon Prime Video、Disney+、HBO Max、Hulu、BBC iPlayerにも対応しました。唯一ブロックを解除できなかったストリーミングサービスはDAZNでした。
ストリーミングサービスがVPNユーザーをブロックしようとしている一方、Atlasのストリーミング機能は強力なセールスポイントです。
Kodiユーザーは、Fire TV StickやAndroid TVなどの互換性のあるデバイスにAndroid版Atlas VPNをインストールできます。OpenELECのようなLinuxディストリビューション用のアプリはまだありません。ただし、互換性のあるデバイスでは、Atlas VPNはどのKodiアドオンにも対応します。
Atlas VPNでトレントはできる?
はい。Atlas VPNはゼロログポリシーを採用しているため、全てのダウンロードはプライベートです。つまり、Atlas VPNは、ユーザーがVPN上で行っていることとユーザーの身元を、紐付けたくてもできないということです。
Atlas VPNの全てのアプリには、キルスイッチが付属しています。VPN接続が途切れた瞬間にキルスイッチが作動し、VPN接続が復元されるまで、デバイスが送受信する全てのインターネットトラフィックを遮断します。このセーフガードにより、何らかの理由でVPNが予期せず切断された場合に、ユーザーの実際のIPアドレスとダウンロードが公開されないよう防ぐことができるため、トレントに適したVPNとなります。
セキュリティとログ
前述のように、Atlas VPNはノーログポリシーを採用しています。つまり、ユーザーのオンラインアクティビティや実際のIPアドレスを記録しません。
それは良いことですが、もう少し具体的な説明が欲しいところです。Atlas VPNのプライバシーポリシーは、接続タイムスタンプやユーザーが接続したサーバーのIPアドレスについては言及していません。
Atlasが収集すると明言している情報は以下のとおりです。
- アプリの設定を変更した時間、設定画面を開いた時間、トライアルを開始した時間などのアプリイベント
- Atlas VPNによって生成されたランダムな識別子と、ユーザーのデバイス上の署名されたトークン
- デバイスの種類、モデル、ブランド、OSバージョン、デバイスID、言語、タイムゾーンなどの基本的なデバイスデータ
- インストール元とトラフィックソースを追跡する属性分析
- 広告ID
これはNordVPNのプライバシーポリシーとほぼ同様です。広告IDはないほうが良いのですが、技術的にはVPNの利用状況には関連付けられていないため、筆者はそれ自体はログとは見なしていません。
Atlas VPNは、以前まではユーザーの都市までの大まかな位置情報を記録していましたが、今はやめたようです。プライバシーポリシーや利用規約のどこにも、ユーザーの位置情報やインターネットサービスプロバイダー(ISP)を記録することについて言及していません。
Atlas VPNでは、WireguardとIKEv2の2つのプロトコルから選択できます。どちらも堅牢で安全なプロトコルですが、おそらくWireguardのほうが高速です。
暗号化の仕様は以下のとおりです。
- AES 256ビットまたはChaCha20チャネル暗号化
- SHA-384またはPoly1305認証
- 前方秘匿性(PFS)
- BLAKE2sはハッシュ化に使用されます
- ノイズフレームワークの前方秘匿性(Wireguardのみ)
理解できなくても問題ありません。Atlas VPNの暗号化は、当社の全ての基準を満たしており、どのユーザーにとっても十分なはずです。
Atlas VPNは、独自のプライベートDNSサーバーを使用します。テスト中、アプリにIP・DNS・WebRTCの漏洩は発生しませんでした。
Atlas VPNは、他のVPNでは見られない特別なことを行います。IPv6アドレスを割り当てるのです。ほとんどのVPNは、IPv6接続を完全に遮断し、強制的に全ての要求に古いIPv4ネットワークを経由させることで、IPv6の漏洩から保護します。一方、Atlas VPNはIPv6へのアクセスを可能にすると同時に漏洩から保護するという考え方は、先進的なもので高く評価できます。
プライバシーと匿名性を高めるSafeSwapサーバーを使用すると、新しいWebサイトまたはアプリに移動するたびに、自動的にローテーションされる別のIPアドレスからインターネットにアクセスできます。SafeSwapサーバーによって発行されたIPアドレスは継続的に変化するため、オンラインアクティビティの追跡がより困難になります。
Atlas VPNは、米国に拠点を置くPeakstar Technologies社のブランドです。2021年に、NordVPNを開発したパナマ拠点のNord Security社がAtlas VPNを買収しました。米国に拠点があると、厳格な監視や箝口令を警戒するユーザーには抵抗があるかもしれませんが、パナマには強制的なデータ保持指令がありません。
買収に関する声明の中で、Nord社は次のように述べています。「今後、Atlas VPNはNord Securityの企業構造に統合され、その結果、他のNordブランドによって設定された透明性と信頼性に関する当サイバーセキュリティ会社の原則を遵守することが求められます。これは、Atlas VPNが定期的なサードパーティ監査を受けることも意味します。」
2022年にインドは、国内で営業しているVPNプロバイダーに対し、ユーザーを特定するログを保持することを義務付ける法律を施行しました。その結果、Atlasを含む多くのVPNプロバイダーがインドのサーバーを廃止しました。
Atlas VPNは中国で使える?
Atlas VPNが中国で使えるという保証はなく、サポートスタッフからは、近い将来にそのような機能を追加する予定はないと言われました。中国は、ユーザーが国の検閲を回避できないようにするために、ほとんどのVPN接続をブロックしています。
グレートファイアウォールを回避できるVPNが必要な場合は、中国に最適なVPNの一覧をご覧ください。
Atlas VPNのカスタマーサービス品質は?
Atlas VPNのライブチャットは毎日24時間体制ですが、サブスクライバー限定です。つまり、サブスクリプションに契約する前の問い合わせは、メールで行う必要があります。
Atlas VPNのサポートに2通のメールを送ったところ、8時間ほどで1つの質問に回答がありました。他のリクエストに対する回答は得られませんでした。
レビューの最後に、30日間の返金保証を利用しようとしましたが、Webサイト上でプランを簡単にキャンセルする方法がないのが不満でした。Google、Apple、PayPalで支払った場合、Atlasは代わりに該当するサービスからキャンセルすることを推奨します。
返金を受けるために、メールで自分のアカウントIDをサポートアドレスに送りました。応答がなく、約1ヶ月後に、サービス2ヶ月分の料金が請求されました。クレームを出しても、1ヶ月分しか返金されませんでした。
請求の問題だけでも期待外れであり、適切かつ手軽なキャンセル方法が整備されるまでは、Atlas VPNはお勧めできません。
Atlas VPNの料金体系
Atlas VPNには、無料枠と有料枠があります。7日間の無料トライアルに関する古い記述を見つけましたが、無料枠が終了することはないようです。3ヶ所のサーバーロケーションにアクセスでき、データはモバイルで2GB、デスクトップで10GBに制限されています。
Atlas VPN Premiumでは、ストリーミング用に最適化されたサーバーやSafeSwapサーバーを含め、全てのサーバーに帯域幅制限なしでアクセスできます。
執筆時点で、長期契約でPremiumの割引を受けることができます。
- 1か月 = $11.99
- 1年 = 月当たり$3.29
- 2年 = 月当たり$1.82
Atlas VPNは、クレジットカード、Google Pay、PayPalに対応します。2024年時点では、ビットコイン、イーサリアム、リップルにも対応しています。暗号通貨で支払うと、他の方法よりもプライバシーを確保できます。また、一部の国ではQiwiでの支払いも可能です。該当国はアルメニア、アゼルバイジャン、キプロス、ジョージア、カザフスタン、キルギスタン、モルドバ、ロシア、トルクメニスタン、ウクライナ、ウズベキスタンです。
全てのプランには30日間の返金保証がありますが、上述のように利用するのは困難でした。
Atlas VPNをお勧めできる?
万人向けではありませんが、お勧めします。特にストリーミングに適しています。頻繁に海外旅行するものの、お気に入りの番組をオンラインで観たい場合は、Atlas VPNは良い選択です。1プランで同時接続台数が無制限なので、家族やハウスメイトと同居する方にも最適です。
Atlas VPNには十分なセキュリティが備わっていますが、プライバシーポリシーは収集するデータと収集しないデータについて、より明文化するべきです。
欠点として、Atlas VPNは中国には対応しません。現在、アプリは4つの主要オペレーティングシステムにのみ対応しているため、LinuxとルーターVPNのユーザーは、今のところ他を当たる必要があります。アプリの機能は、やや少なめです。最後に、カスタマーサポートは対応が悪く、Atlas VPNの返金保証は履行されませんでした。
Atlas VPNのクーポン
Atlas VPN以外の選択肢
Atlas VPNは、特にストリーミングに適したプロバイダーですが、競合には見られる機能がいくつか欠けています。
Atlas VPNと運営元が同じNordVPNはその好例です。こちらも同じく安全でストリーミングに最適ですが、より高速で機能が充実しています。中国でも機能し、幅広いデバイスをサポートしています。
Surfsharkは、高速サーバー、強固なセキュリティ、ほとんどのストリーミングサービスへのアクセスを提供するもう1つのお勧めです。ログを保持せず、中国にも対応します。SurfsharkもAtlas VPNと同様にデバイス接続台数が無制限です。